【音楽理論】裏コードを使ってみよう。ー『ウニが好き/山内良太』(前編)

2018年6月6日ギター, コミュニケーション術, ハヤえもん, レッスン, 健康, 山内良太(ハヤえもん開発者), 趣味の世界, 音楽, 音楽理論

新曲ついに公開されました!

ギタリスト、ハヤエモニストの北島健吾です。
今回、ハヤえもん開発王りょーたさんの新曲『ウニが好き』でコード進行、アコギを担当しました。

この曲は結構トリッキーなコードを使っていてチャレンジ精神あふれていますが、
アプリ開発者とは思えない柔軟な対応力でメロディを作ってもらいました。
以下に、その一連の流れを書いていきます。意外なほどに長文なので気をつけてくださいね。


発端は歌詞っぽいもの


ツイッターを見ていたら、りょーたさんが歌詞っぽいものの画像を載せていたんですね。
結論、それがきっかけでもありゴール地点でもあります。
ネタがあったので曲をつけた、という感じですね。

昔の話をしましょう。

10代のころ、「歌詞があったら曲を作る」という作曲の練習をしていた時がありました。
お題はなんでもイイんです。
人様がブログに書いている詩でもいいですし、知らない歌謡曲の歌詞でもいいです。
イメージを自分でしないといけない素材が大事です。

ぼくの作曲スタンスはリズム、コードが先

色々な方がいます。
歌詞が先、メロディが先、コードが先、リズムが先など。
音楽を構成する要素としてはまずリズムだと思うんですね。
同じタイミングにユニゾンで1音ならすのは音楽とは程遠いと思います。
でも、ちょっとタイミングがずらしてそこにリズムが生まれたら音楽的です。

一概に言い切れないものですが、音楽に合わせて身体が自然に動く。
ダンスなどとも繋がる部分ですね。

どんな感じでリズムを刻むのか?
テンポ感はどうなのか?

という要素を共有できればまず身体で音楽に乗っていけて楽しいです。
ギターに限らず、机をドラムがわりに指先で叩いてリズム刻んでもいいし。

と、リズムの楽しさをアピールしましたが、
本当に最初にギターを弾く時はメロディなんてほとんど弾けないので
開放弦を使ったローコードなどが武器になるでしょう。

どうやって録音するのか

作曲を始めて行った高校生時代。当時はカセットMTRというものがありました。

楽器なんて弾けもしないのに、一丁前に曲を作ろうとするもんだからもう頭の中はパニックです。
楽器屋に売ってたのをたまたまゲットし、多重録音の世界に魅了されます。
同時に演奏しなくても順番に録音していけばバンドっぽくなるわけですね。
今は、iPhoneやiPadでも多重録音できるアプリがあるし、
コンパクトでSDカードなどを使えるMTRも存在します。
誰でも当時のぼくのような作曲の興奮を得るきっかけはあるわけです。
あ、ハヤえもんで2トラック再生早くやりたいですね。

ギター以外の楽器は弾けるのか?

当時はキーボードも持っていたけど全く弾けなかったですね。好きな音が出なかった。
好きな音が出ないというのはコードブックを見てトライアドなどを押さえますが、
聴き慣れているおしゃれな音はトライアドを弾くだけじゃでませんでした。

意味がわからなくてやめました。
意外かもしれませんが、とっかかりで興味が失せるとやめてしまいますね。

まずはドラムフレーズ集的なものや市販の楽曲のフレーズを参考に、
ドラムの打ち込みトラックを作ります。写真はその時に使ったリズムマシーンと同じものです。
日常の練習でメトロノームとしても使えますし、8ビートとか16ビートとか、リズムのパターンを組んでおくと、
好きな時に呼び出せます。
全く、ドラムも叩けなかったので、
作ったパターンを小節ごとに並べていって再生したものをMTRで収録していましたね。

で、そのガイドを参考に自分が弾けるギターのコードを録音して、
それを聴きながら鼻歌を歌ってメロディを決めるっていう方法です。
ベースは持ってなかったので弾けなかったです。
もうこの頃から、メロディは伴奏に対してアドリブで捻り出すっていう練習をしていたわけですね。

この方法の利点は、コードを聴きながらメロディを出しているので、コードの付け方に悩むことが少ないところですね。メロディが先だと、コードは何が合うのかを後から吟味するようになります。
まとめると、リズムトラック→コード弾き→歌。
では、本題のウニにいきますよ。



コードの決め方

今回は『ウニが好き』

アコギだけと決めていたのでコード進行だけ弾いてメロディ作ってもらうつもりでいました。
ウニが大好きなことが確定しているので、キーはメジャーで行こうと思いました。
今回は、キーをDメジャーとしました。出てくるダイアトニックコードをまず考えます。

代理コードも含めてファンクションも割り振っています。
で、曲の解決地点をTとすると、D→Tの動きが大変重要です。

 

今回は、サビのコード進行が1番シンプルなものになっています。Dadd9というのは、Dのトライアドに9をつけたものです。7度は入っていません。
とてもしっくりくる抜けのいいメロディー感が出やすいと思います。

Bメロでウニの神秘性(浮遊感)を表現したかった

まだ、ノンダイアトニックや転調については深く触れて理論ブログを書いていませんが、
Aメロの終わりからBメロ。また、Bメロ全体。
この辺りはとても音として不安定になっています。

AメロBメロ連結部分

 

なんだこれは!?と言った感じですね。

実はここで出てきているSUB.Ⅴ7というのは『裏コード』というものです。サブスティテュートドミナント、とかカッコつけて呼んだりするのでサブがついてるんですね。また、ドミナントとはいえ絶対にセブンスコードでないといけないわけではなく、シックスナインススなどのコードを使っても構いません。

サブスティテュート

substitute,

別のもの代わりをするか、代わりをすることができる人、または物

裏コード

裏コードとは簡単にいうと、ドミナントコードの増4度(減5度)上に存在するドミナントコードです。ドミナントモーションは、Ⅴ7→Ⅰといきますが、Ⅴの裏コードは♭Ⅱ7となるので、♭Ⅱ7→Ⅰという動きになります。(マイナーキーならⅤ7→Ⅰm)

なぜ、裏コードとして使えるのかというと、ガイドトーンを用いているからです。ガイドトーンとは、コードにおいて重要な役割を持つコードトーンを順番に並べると3度、7度、1度、5度となり、その3、7が共通していてドミナントの持つ増4度(減5度)の緊張感を持つコードとして代理可能なコードということです。(それを理解した上で、シックスナインススのコードにしている)

直上のディグリーアナライズでは、同じキーの中でアナライズしたので♭Ⅶをルートにディグリーを書いていますが、思い切ってBへ転調するとした場合はドミナントモーション自体をそのキーとして考えて良いことになっています。

解決先から、辿って行きます。トニックに対するドミナント、サブドミナント。という感じです。

Bメロ

 

上の譜面そのものがカオスですが、まずは転調前の1小節はキーBmに向けてマイナーツーファイブのファイブを裏コードにしたものです。Ⅱm7(♭5)→♭Ⅱ69→Ⅰm

で、この時Ⅰmに解決すればただの平行調なのですが、ここでキーBマイナーから見た同主調のBメジャーを一瞬通ります。これが、微妙な浮遊感を出しています。

キーBメジャートニックとしてBmaj7に解決したとして、次はGに進みます。これは同主調Bマイナーから見ると、♭Ⅵとなり、サブドミナントマイナーとなります。
次のF#mもBマイナーキーで、ドミナントマイナーのⅤmです。
で、突然出てきたEはBメジャーから見た4度で、サブドミナントです。
そして最後にハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウ。
BマイナーキーセカンダリードミナントのⅤ7です。
で、単純にいけばBmに解決しそうなのに、Bmの平行調のDに解決します。
とんでもなくりょーたさんを振り回す。ワキ汗のような曲。
SAY!!ちょっと車止めよう!!!

あとがき

と、このようにアナライズしていくと、同じようなコード進行はディグリーネームを通して真似することができます。
こんな難解なコード進行でも、一瞬の不安定なところを乗り越えて徐々にウニ好き感がヒートアップしていく様を体感できると良いです。

次回は後半。奇跡的にエモーショナルなEメロなどについて触れて行きたいです。(触れてないイントロとエンディングも)