ゲームインスト『城』から学ぶ作曲のテーマ性
ノンダイアトニックが雰囲気を作る鍵
ギターの腕もある程度磨いて、ギターインストを作ろうと思った時ぶつかったのが、
あまりにも平凡なダイアトニックコードの進行だけだと、思ったような音楽が作れないということでした。
なんというか、世の中に溢れてるインストは景色が見えるものが多いということでした。
ギタリスト、ハヤエモニストの北島健吾(@kengo1228)です。
今回は触れるのは、自分がインスト作りの時に刺激を受けた既存のゲームインストについて。
場面作りを勉強するのにRPGは最適
まずは、好きな作曲家は光田康典さん、植松伸夫さんです。
あとはすぎやまこういちさんも。
この作曲家名を聞いてなにが好きかは見当がつくと思います。
『クロノ・トリガー』『ファイナルファンタジー』『ドラゴンクエスト』などです。
ゲーム音楽の何がすごいかというと、作品の場面にふさわしい音楽で彩るところ。
それでいて、短い小節数ではありますが、しっかりとテーマを伝えてループしていくところですね。
歌詞を乗せて歌を歌うようなポピュラーミュージックは、ダイアトニックコードを使った平和な曲調が多いと思います。まず歌いやすさが大事だと思うので。
ですが、今回はインストですので印象に残りさえすれば歌詞を乗せて歌いやすいかどうかよりも雰囲気が大事だと思っています。
ハードなものから笑っちゃうようなものまでアレンジ様様です。
個人的なおすすめ
クロノ・トリガーのメインテーマである『クロノ・トリガー』、
どこかノスタルジックな『風の憧憬』
FFシリーズではFFⅥの『決戦』やFFⅤの『ビッグブリッヂの死闘』などはカバー演奏してる人も多いですね。
でも、今回はみんながカバーしたがるものとは別のものをチョイスします。
個人的なおすすめとして、
戦闘以外で面白いのが『お城』です。
FFでもDQでも、一度お城に入ると聞いただけで『お城感』が溢れています。
あの感じはなんなのでしょう。
今、「城の感じで一曲」とお題を出されても自分はまだまだ荘厳な感じを出せないですね。
というのも、僕個人は城に遊びにいったこともないので完全にゲームのシチュエーションとセットで記憶しています。
今まで、お城に興味なかった人は音楽に耳を傾けると、面白いと思います。
お城のBGMを聴いてみよう
この記事書いている最中でしたが、友人とお城の音楽について話していて
「お城っぽい音楽について記事を書いている。ちょっとお城の音楽聴かない?」
ということで、YouTubeで『城音楽』を聞きました。
これが、歴代のドラクエの城BGMです。
音源としては、初期のものはほぼ単旋律ですがチープなアレンジであればあるほどメロディの強さが際立ってきます。
お城以外でこんなBGM流れますかね?個人的にはお城。
徐々に、音源自体がバージョンアップされて荘厳な感じになっていくイメージはあります。
ドラクエって、世界観的に魔王に怯えてる感じはあるので、
お城だから年中パーティーかというとそうではなくて、
なんとなく悲しさや不安を含んでる感じがしませんか?技ありだと思っています。
僕個人としては完全に城なんですよね。
これはFFⅥの『フィガロ城』に入ると流れるBGM。
機械の技術が進んで文明発達したお城なんです。
曲の印象はほとんどメロディに引っ張られていると思いますが、
冒頭の部分はC♯ドリアンとC♯エオリアンを行き来していますね。
城ですよね?城だと思うのは僕だけですかね?
これはFFⅥの『ドマ城』に入ると流れるBGM。
なんとなく東洋の城っぽい感じしますよね。
登場するキャラクターも『ござる』と喋る人でした。
なぜ城だと思うのか
実生活において城に遊びにいくことはないわけで、
仮に知り合いの王様の家に遊びにいって、
足を踏み入れたらこの音楽が流れるのか?というと
そういうことはないわけです。
宮廷音楽は、宮廷儀式で使われるような音楽であって
入った瞬間に流れるわけではないですからね。
というか、宮廷舞踊とかそういうものとリンクした音楽なので、BGMではないわけです。
では何故城だと思うのかというと、やはりストーリーの雰囲気や外観とのマッチングですかねぇ。
「城といえばこうだろう」とゲーム音楽の天才作曲家たちに刷り込まれている感じはあります。
色々聞いてみた結果、これと言ってモード旋法で城らしさが決まるということでもないようです。
時代が進むにつれてパーカッションなどが入ったりもしますが、初期のドラクエなんかは必ずしも入っているわけではないのでパーカッションで決まるわけでもないみたいですね。
それでも記憶に残る音楽を作るわけですから、発注されて城BGM作れる作曲家は素晴らしいと思います。
今回取り上げたFFⅥのBGMは『楽しいバイエル併用 ファイナルファンタジー6』ということで楽譜も出てますね。(プレミアムついてます)
そのほか、洞窟とか砂漠とか色々なシチュエーションで色とりどりの音楽を作っている作曲家からは色々盗めるものがあると思うので、ゲーム音楽や映画音楽を採譜してみるのもいいと思います。