アドリブができない!音楽理論を勉強してもアウトプット量がさほど変わらない理由。

2018年5月2日

音楽理論好きの講師が音楽理論をdisる理由

ギタリスト、ハヤエモニストの北島健吾です。
ぼくはギターの中でも音楽理論が好きで、理論系の話のために書籍を購入したりだとか結構自発的に取り組んできました。
今も理論は好きで、理論が好きな人とは理論の話だけで数時間話せるくらいのものです。
ただ、それは好きって言うだけでして
理論があればなんとかなりますよと言った代物ではありません。
『アドリブしたいから理論を勉強する!』これは順序が違うと思っています。

以下説明していきます。



アウトプットの法則は出して入れる

音楽理論と言うとどうしても座学が中心になってしまい、知識を入れてから出す。
このイメージが先行してしまいます。
でも、出さないと入りません。
つまり、何か作品を作ってみればいいのです。

作れとは何事か。
そう思うかもしれませんが、事実です。

実際にぼくが音楽理論を勉強し始めたのは、
すでに作曲モードになっていたからでした。必要だからするっと入ってきたのです。

まずはひねり出してみるわけです。
毎日。もう、全然出てこない、どうしよう。というところにいくわけです。
毎日出したいのに出てこない。
そうなると、明らかに自分の中で情報が枯渇しているのでスムーズに入ってきます。
なんか出したい、そう思うと出すために入れるんですよね。

でも、音楽理論の登場はまだ先です。
まずは収集です。

耳の栄養は目から食べる物じゃない

音楽は耳で聞くものだと思います。
何かコンテンツを出したい人はまずパクれと言われています。
丸パクりは盗作ですのでおススメできませんが、
練習の段階では自分がいいなと思ったところをさらっと拾って参考にしていくのがいいと思います。

どうせ完コピはできないので。
というか、全く同じところまで行く意味はそれほどないです。
同じことできる人2人いても仕方ないですし。どこかで色づけしていくと思います。

でも、好きなものほど影響が色濃く出てくるものです。
昔に作った曲なんて、
「〜みたいな雰囲気の曲」という雰囲気パクりだったり、コードのパクりだったり色々あったと思います。考えたらテクニックもパクりじゃないか。

そうやって自分の中の語彙力を作っていきます。
言語習得と一緒で、
ドレミを覚えただけの状態だと、『あいうえおの50音を言えるだけ』で
単語や文章に落とし込めません。
まずは型を作るといいです。

そのための収集です。
そして、収集した語彙をつなげたり崩したりで自分らしくしていきます。



なぜアドリブの話なのに作曲なのか

実はアドリブって短い作曲です。
本来そこにないメロディを作ってぶちこんでいくわけです。
当たり前のことですが、
長い作曲ができる人が短い作曲ができないわけがないと思ってます。
でも、アドリブができるのに作曲が苦手な人もいます。
アイディアが枯渇するとかよくありますよね。

なのでその一瞬での作曲だと思って取り組むといいです。

シンプルワードの重要性

ジャムセッションでのアドリブって、
テーマをわかりやすくして『何かやりたいテーマを手を変え品を変えこねくり回してる』
というわかりやすい人と、
全く手グセだったり、すぐに転回していってまとまりがなかったり、理論だけで長々とやってしまう人といます。
個人的には、わかりやすい方がいいと思うので、
主役と背景はきっちり分けた演奏が良いと思います。

フィジカルと視覚と聴覚の紐付け

理論がいつ登場するかと言うと、この辺りです。
自分のフィジカルと、視覚・聴覚の情報を紐付けて行く時に大変便利。
自分の得てきた色々な情報や現象に名前をつけたり、仕舞う場所を決めたり。
仕舞う場所がわかれば瞬時に引き出せますからね。
そういうイメージでしょうか。

音楽理論を知っていれば、
「キーCのイチロクニーゴーのコード進行だったら、5の時にこう言うフレージングが好きだなー」とか、
誰かの名演にインスパイアされてアドリブします。「ここはドリアンスケールだから13thを意識してプレイしたから気持ち良いのかな?」とか考えられるわけです。

イチロクニーゴーってなに?
ドリアンスケールってなに?
13thってなに?
このようなことって、理論を知って初めて「とっちらかった情報を整理できる」と思いませんか?

というわけで、
理論に当てはめていけばなんとかなると言うよりも、
情報を整理するために理論を使うとか、
自分の中のアイディアをすぐに取り出すために理論を使う。
そう言うイメージですね。
もちろん理論で話すのが得意な人の言語を読解できる強みもあります。

なので、順番が違う。というわけです。