音楽理論ーナチュラルマイナー、同主調、平行調ー

2018年5月8日

音楽理論の初歩②

ギタリストの北島健吾です。今回の記事は音楽理論を絡めた話をする時の初歩としてバックナンバーにするために掲載しました。

今回は前回の長調に引き続き、短調です。


短調がなぜ2段階目になるかというと、長調の方がシンプルだからです。
短調を難しくする理由が2つあります。
それは、覚える短調の種類が多いことと、部分的な転調を導入するところ。
先へ先へと進みたいところですが、今回はまず下記の2点をクリアしないと理解ができないままになってしまいます。




2種類のナチュラルマイナー

①同主調

まず、メジャースケールとの比較をわかりやすくするために、ここではキーをCマイナーとします。(Cメジャースケールは左側に#や♭もないため比較しやすい!はず、、、。)

下図はキーCメジャーのときドレミファソラシの3、6、7を半音下げています。

メジャースケールをダイアトニックスケールと呼んだように、マイナースケールもダイアトニックスケールと呼びます。マイナーキーのダイアトニックと言われたら下図を思い出しましょう。そして、メジャースケール同様にマイナーのダイアトニックスケールそれぞれを根音にして和音をつくることができ、それぞれをマイナーキーのダイアトニックコードと言います。

上図の五線譜下の注釈を見るとメジャースケールの時と同じように、それぞれの度数のコードに機能があります。

特筆すべきはトニックマイナーコード(Tm)、サブドミナントマイナーコード(SDm)、ドミナントマイナーコード(Dm※)となっているところです。おさらいですが、トニックは主和音、サブドミナントは下属和音、ドミナントは属和音。今回はマイナーキーですのでこのように、マイナーコードになっています。(※Dmといってもディーマイナーじゃないのであしからず。)

ところで、このローマ数字で書かれたⅠm7とかⅡm7(♭5)などのことをディグリーネームと言います。これらについてはこちらのブログで。↓

キーCメジャーに対してキーCマイナーを同主調と言います。(同じ主音を持っている)

②平行調

さて、同主調で覚えた3、6、7を半下げたナチュラルマイナースケール。音同士の間隔を見てみましょう。

全半全全半全全。20代のころはラップのように覚えたもんです。
ZEN HAN ZEN!×2 HAN ZEN!×2 YEAH!(軽快!)

実は、このナチュラルマイナーの全音半音と同じ間隔を持つものが、Cメジャースケールの中にも隠れています。Cメジャースケールを6番目のAから弾いたものは全く同じ間隔で並んでいます。

上の図のような関係になっています。キーAマイナーというならば、Am7はⅠm7となりますし、キーCメジャーというならAm7はⅥm7という扱いになります。



セカンダリードミナント

コードの機能の話をしましたが、ナチュラルマイナーでは属音の上に堆積する和音がドミナントマイナーとなってしまいます。マイナーコードの3度は短3度となるため、通常のドミナントコードのような長3度と短7度の間の減5度が発生しない。ドミナントの緊張感が足りないとトニックへの解決力が少ないです。音楽のメリハリが少ない!

そこで、Ⅴm7をV7に変更することで、ドミナント感を強力なものにします。

例はキーCマイナーだった場合のセカンダリードミナント。コードはGm7とG7です。

セカンダリードミナントというのは、平行調の関係で見た時の長調にドミナントが存在しているため、それを第1とすると第2となるためです。(長調のドミナントは、短調のダイアトニックのトニックマイナーへの解決力が弱い。長調のダイアトニックのトニックに解決しやすい。)

このような形で、本来Gm7だったところをG7にすると、G7の中に長3度と短7度の関係が生じ減5度が出来上がります。そのため、Cm7へ解決しやすくなります。また、無理やり作ったB(ナチュラル)はCの半音下のため半音上への解決を促すリーディングノートになります。その瞬間、一時的にマイナーのダイアトニックスケール外のコードとなるため、ノンダイアトニックコードとなります。スケールも、CナチュラルマイナースケールではなくCハーモニックマイナースケールを5度から弾いたものになります。(ハーモニックマイナーパーフェクト5thビロウなどと呼ばれます)

今回紹介したのは短調の一部。さらにハーモニックマイナーやメロディックマイナーが存在します。

メロディックマイナーは準備中。