「速弾きはゆっくりのテンポから練習する」は間違い。その理由。

2018年4月10日ギター, レッスン, 音楽, 音楽理論

難しいことがあればゆっくり練習していくのが人間の心理

ギタリスト、ハヤエモニストの北島健吾です。
また速弾きについての記事ですが、
今回のテーマは『ゆっくりのテンポから練習していけばそのうちなんとかなるというのは間違い』ということ。それホント!?っていう。
実際に、条件を間違えると遠回りどころか一生できるようにならないという事実があります。
なぜ真面目に考えていれば誰でも思いつくだろう発想に盲点があると言えるのか、以下に解説していきます。




テンポアップ式=そのテンポでの練習でしかない

考えてみて欲しいのですが、
あるゆっくりのテンポの中で細かく確認しながら演奏していく状況と、
速弾きをしているときの状況とではまったく違うと思いませんか?
逆をいいます。
『速く動いているものを徐々にゆっくりしてみてください。』
同じ動作のままゆっくり動けますか?
ゆっくりの自分と速い自分はまったく別の動きをしてませんか?

本当はゆっくりじゃなくて、そのテンポなりに弾いてるだけ

最近はスマホアプリなども発達していて録画したものをスロー再生したり、早送りしたりすることができます。

YouTubeもそうですね。
再生設定のところで速度を変えることができます。(写真はiOSのものです)

実際に速弾きがスマートな人の動きを遅くした時どうなのか

大ヒントですが、、、
カッコいい速弾きギタリストをゆっくり再生してみましょう。

その時の指や手の動きは、今あなたがゆっくり弾いている時と同じ動作でしょうか?

普段の自分なら、弾けるテンポで安心しながら一つ一つ確認しながら弾けている。

『綺麗な音を出している。』『ピッキングはちゃんとできている』『リズムも正確だ』
これだけで満足していると、
本当に速くしたときに自分が実際はどんな動きをしているものなのかに一生気がつかないです。

そもそも、自分は練習段階なので速いという状況がわかっていないわけですから。

本当にゆっくりから単純にスピードアップできるなら、
超音波歯ブラシの高速ストロークもメトロノームを使って練習すれば手動で真似できることになりますからね。
そんなに甘くはないです。

ではゆっくり練習してはいけないのか

否、練習はゆっくりしましょう。ゆっくりでさえ弾けないものが速いテンポで通用するわけがありません。

じゃあどういうゆっくりならオッケーか?

ゆっくり、じっくり、焦らずにという意味です。

ただ、ゆっくりのテンポから馴らしていく、というのが間違いになりかねないということです。

ゆっくりやってる動作の延長線上に速弾きしてる綺麗なフォームの自分が見えるのかが大事です。

速く動いたとき通用する動きをゆっくりと意識しながら徐々に加速していくわけです。

ゆっくりの中でゆっくり『だから』できるような制限付きの動きをする人は、
早送りすると「そりゃ無理あるでしょ」という動きになってしまいます。

この動画をみて、そりゃ無理があるでしょ、と言っている意味がわかる人は速い時の動きがこうじゃないことを知っている人です。

逆に、何が無理なのかがわからない人は速弾きが上手い人の動画を見てみましょう。



動画でわかりにくい要素

これまでは縦横の動的な要素にフォーカスをあてていましたが
実際には動画でわかりにくい『力の分量』『速度を生み出す要素』だったりも隠れています。

そこでまた、リラックスが必要なんだよ、という魔の言葉が生まれます。

リラックスはリラックスでも、力は入ってますからね。

左手が速さに馴れていないとどうなるか。

超スローテンポならば、意識的に指を立ててしっかりと押弦できるものも徐々にテンポが詰まっていくと集中力が切れて気持ちが焦っていきます。

つまり、音価が短くなっていくでしょう。左は満足に伸びていて、右は焦って音が切れている例。

こういう中途半端な長さにならないようするためには、最大限伸ばして一瞬で指を離すことや、最小限の距離から一瞬で押弦する速度が要求されます。ここでも出てきましたね。速さ。

右手が速さに馴れていないとどうなるか。

また、ピックについても速度が重要です。これはピックの滞在時間とピッキング後どこまでピックが動いているか、あえてもたつきながらやってさらにスローにしました。

これだけの重要な要素を隠しながらも、スローなテンポから練習すれば大丈夫だよ、の一言だけで済ませてしまうのは残念です。

すごくシンプルで簡単に聞こえるテンポで練習したとしても、音が来る瞬間は一瞬で、ジャストというのは遅弾きだろうが速弾きだろうが一点のみなのです。

ゆっくりのテンポでもマインドは速弾きに通用するマインド。これを忘れずに。